ピカソ・トリガー/殺しのコード・ネーム 特別版 [DVD]

ピカソ・トリガー/殺しのコード・ネーム 特別版 [DVD]

1350円

ピカソ・トリガー/殺しのコード・ネーム 特別版 [DVD]

ピカソ・トリガー/殺しのコード・ネーム 特別版 [DVD]:30年以上にわたり、私たちのコレクションは私たちのすべての日用品によって厳選されてきました。 ついに観てしまった、『ピカソ・トリガー』を。このシリーズのウワサは以前から聞いていたし、何年も前に廉価版DVDで発売された時も、どれか一つぐらい買おうかと迷ったが、どれを観たらいいのかも判らず、ずっと心の片隅に放置していた。最近、レビュアーの方から本作が代表作だとお伺いし、やっと観て、色々な事が判った(笑)ので、それについて書きたいと思う。ストーリーは、はっきり言ってどうでもいいので、ダッシュで行きます。世界で最も獰猛な魚「ピカソ・トリガー」の異名をもつ麻薬王にして美術蒐集家のサラザールが何者かに暗殺され、暗黒社会のみならず、長年マークしていた連邦捜査当局も騒然となる。サラザールは、ハワイに拠点を置く犯罪組織のボス・ミゲルにある情報を提供していた。ミゲルは弟を当局に殺害されていて、サラザールから提供されていた情報は、弟の暗殺に関わった捜査官たちのリストだったのだ。ミゲルは報復行動を開始、潜入捜査官たちが次々と暗殺されてゆく。危険を察知した捜査官トラビス(スティーブン・ボンド)とその仲間のグラマーエンジェルズ(プレイメイトたくさん)は、反撃に出るが、この事件にはウラがあった・・・!・・・何て書くと、ちゃんとストーリーがある映画のように思えてしまうが、物語はあって無きが如し(笑)。本作は、ひたすら「美女のヌード」と「筋肉」と「爆発」を羅列していくだけの映画なのである。いわゆる「エクスプロイテーション・ムービー」と呼ばれるジャンルがある。日本語では「キワモノ映画」などと翻訳される事が多いが、ようするに見世物主義を全面に打ち出したB級映画である。で、こうした映画は、かつてアメリカではドライブイン・シアターや、「グラインドハウス」と呼ばれるストリップ劇場などで上映される、超低予算の直視に耐えないようなシロモノが大多数を占めているのだが、この『ピカソ・トリガ−』シリーズが抜きん出ている(?)のは、お金をちゃんとかけて製作されていて、プレイメイトたちが大挙して出演、男たちは挌闘家などの筋肉ムキムキ系、フェラーリなどのスポーツカーが登場し、ロケ地はラスべガスやハワイ(ベタベタですな・笑)など、一見豪華に作られているのである。そう、まるでA級映画のようなフリをして。この「一見」というのが実にクセモノなのだ。観ていて引っかかるのが、ゴージャスに見えるのに、チープな印象を受けることである。とても矛盾しているように思えるが、撮影方法や演出に「こだわり」がなく、メリハリも美学も感じられないのである。もちろんサスペンス感もゼロ。製作・監督・脚本を務めるアンディ・シダリスは、センスゼロのおバカ監督なのか・・・というと、決してそうではなく、明らかに計算ずくで手を抜いて撮っているのが見て取れるのである。この映画のウォッチャーから、よく「やる気がない演出」と称されるのだが、どういう事かと言うと、とにかく何でも派手に爆発させるのだが、対象物がみんな見事に「静止」しているのだ。カーチェイスの最中、ヘリが車にバズーカで狙いをつけると、突然車が止まって運転者がドアをあけてヘリを見る。「いい標的だろ!」と突っ込みたくなった瞬間、撃たれて車ごと木っ端微塵。南部の沼沢地のような水路で、モーターボ−トでチェイスする面白そうなシーン(空撮もしっかりあり)もあるのだが、何と言うか、スピード感が全然なく、「安全運転かよ!」と突っ込みたくなる。武器がとにかく「爆薬」づくしで、爆弾つきブーメラン、爆弾つきの銛、爆弾を搭載したラジコンの飛行機や車・・・何でも「爆弾つき」のワンパターンだ(ラジコンも好きみたいです)。あと、プロの格闘家を出演させて肉弾戦を演じたりするのだが、これまた撮り方がうまくないので迫力が充分に伝わってこなくて、残念な印象を与えてしまう。そう・・・アクションシーンというのは、凝れば凝るほど手間ヒマがかかり、それによって制作費がかさんでくる。シダリスはやることはやっているのだが、徹底的に「こだわらない」ことでコスト削減を狙うのである。その代わりに、やたらと爆発&美女のヌード&筋肉を連発し、手を抜いたところをうまく誤魔化しているのである。以前、キャロライン・マンローの『スタークラッシュ』のレビューで、「多少チープでも、作り手の、ジャンルへの愛や情熱が感じられる映画は観ていて楽しい」といった事を書いたと思うが、『ピカソ・トリガー』シリーズは、この「ジャンルへの愛」が今ひとつ感じられないのである。例えば、大挙出ご出演のプレイメイトたちのお色気シーンも、ドラマ上の必然性はゼロ。とにかく登場したらシャワーシーン、ベッドシーンとすぐ「脱いじゃう」のであるが、こうも簡単にヌードを見せられると、ありがたみが無くなってしまう(笑)。そう・・・ドキドキ感もワクワク感もないのである。お色気というのは、モロ見せすればオッケーというものでもなく、例えば『シンドバッド黄金の航海』のマンロー姐さんはヌードシーンなど全くないが、半獣人に追いつめられて、妙に汗ばんだお肌を見せながら壁際で「ああ、私もうダメ・・・」という表情を浮かべるところがドキドキなのである。「どう?私のナイスバディは!」と言わんばかりに積極的に脱ぎまくる美女たちを連打されると、ドキドキというよりは「はぁ、凄いですね・・・」とむしろ苦笑している自分に気づく。「サービス精神」というが、サービスを押し付けられているような気分だ(笑)。便宜上の主人公(らしい)の捜査官トラビスが、今ひとつ頼りにならない男で、銃もヘタクソ、何発撃っても当たらず、いつも美女にサポートしてもらう始末・・・という設定はけっこう面白いのだが、登場人物が無駄に多くて(男の捜査官がほかにも3人くらい出てくる)、話があっちに飛んでこっちに飛んで、誰がメインキャラクターなんだかよく判らない。美女たちの中に、「チャーリーズ・エンジェル」の世界から飛び出てきたような、ひときわカッコいいオーラを放つ、ファラ・フォーセット風のドナ(ドナ・スピアー)とキュートな風貌のターリン(ホープ・マリー・カールトン)のコンビがいて、この二人はコスチュームもノースリーブのジャケットで統一され(特に初登場時のノースリーブのダイバースーツはカッコ良かった)クールな印象を与えて、グラマーエンジェルのメインキャラか、と思うのだが、上記のように色々なシーンや見せ場がただ羅列されているだけで軸が見えないので、いまひとつ主役か自信が持てない。でも、パッケージを彩っている美女が、まさにドナ・スピアーなのです。本編鑑賞後に予告編を観て、ようやくこの二人がシリーズの「主役」なんだと確信した。まったく予告編の方が出来がいいんだから困ったもんだ!(ちなみにトラビスはこの1作しか登場しないご様子)潜入捜査官という設定で、みな普段は一般社会にとけ込んでいるのだが、水族館みたいなところでイルカの調教師とか、南部の田舎町でカウガール・ショウの踊り子とか、一体何の潜入なんだかもよく判らないし、第一潜入捜査って、犯罪の証拠を挙げるための捜査でしょ?爆弾で証拠も犯人(つまり証人)も全部ぶっとばしてどうするんじゃ!このヒトたちは「潜入捜査官」というより「始末屋」だろ・・・と「突っ込みどころ」が映画になったような映画だ。まあ、大マジメに観るシロモノでは、もちろんないのですが(笑)。サービス精神旺盛なように見えて、何だかおざなりな印象を受けるこういう映画を、監督のシダリスはなぜ撮っているのかというと、「外国のバイヤーに売れるから」とのこと。1)大柄で巨乳の金髪ギャルたちを出すべし2)大柄でバズーカを持ったボディビルダーを出すべし3)ヘリコプターを爆発させよ4)ジープも爆発させよ5)ハワイかラスべガスかダラスでロケをせよというのが、シダリスの「売れる映画5カ条」らしい。つまりお金儲けが第一という事。ロジャー・コーマンやラス・メイヤーとやっている事は似ているのに、シダリスの映画には「作家性」が感じられない・・・(苦笑)さて、筆者も冒頭に書いたが、この『ピカソ・トリガー・シリーズ』、どれが第1作で、どんなシリーズ構成になっているのか情報が錯綜していてよく判らない。観たいとつねづね思っている方でも、筆者と同じくどこから手をつければいいのか判らん、という方もいらっしゃると思うので、ここでしっかり整理したいと思う。とにかくまぎらわしいのは、本DVDのパッケージには、「シリーズ第3弾」と書いてあるのだが、特典映像で監督は「シリーズ2作目」と言っておられる。そしてファンからは「ピカソ・トリガー・シリーズ第1弾」と呼ばれている。この矛盾はなんなのか?実は、そもそも「ピカソ・トリガー」などというシリーズは存在しないのである。『Picasso Trigger』というタイトルがついているのは本作のみで、これは悪役のボスの呼び名なので(劇中でやっつけられちゃう)、シリーズの名称にすること自体がおかしいのだ。おそらく、わが国のビデオバブルの時代に本作がそれなりにヒットしたことで、残りのシダリス映画を全部「ピカソ・トリガー」にしてしまったと思われる。ドナとターリンのコンビの第1作は、『グラマーエンジェル危機一髪(原題:Hard Ticket to Hawaii)』('86)になる。そして本作『ピカソ・トリガー 殺しのコードネーム(Picasso Trigger)』('88)が第2作。続く第3作が『ピカソ・トリガー サベージ・ビーチ(原題:Savage Beach)』('89)、ちなみにビデオソフト時のタイトルは『ピカソ・トリガー2』となっている。ドナ・スピアーはその後、本作では悪女を演じていたロバータ・ヴァスケス(エキゾチック系美女)とコンビを組んで、『スパイエンジェルス(The Guns)』('90)、『グラマラスキラーズ(Fit to Kill)』('92)、『グラマラスハンターズ(Hard Hunted)』('93)と、全く区別のつかない邦題作に続々ご出演(役も同じドナ・ハミルトン捜査官)。シダリスのお気に入りだったようだ。尚、ほかにもゴマンとある『ピカソ・トリガー』シリーズだが、その多くはペントハウスのベスト・ペット・オブ・ザ・イヤー'93に選ばれたジュリー・ストレインが「ウィロー」とか「ウィドー」とかいう役名で主演しているものだ。最後に、本DVDには主演女優のインタビューなど色々特典映像がついているのだが、なぜか本作には出てこないジュリー・スレイトンと監督が対談・・・いや漫才?のようなよく判らないトークを展開するものが、これがくっだらなくて最高におかしかった。何しろ、ジュリー嬢がいきなり胸をモロ出しで登場するのだ!「うぉっ!何だよコレは・・・!?」とビビる筆者を横目に、監督は映画のポスターなどを見せながらご解説。それを聞いているのか聞いていないのか、ジュリー嬢はことある事に胸をはだけたり乳を揺らしたりして、監督は「ああっ!ジュリー、そんなこと・・・良い子のみんなは真似しちゃダメだぞ」とか言って、「コレは何だ?ヤラセなのかセクハラなのか?」と爆笑しながら見てしまったが、このジュリー・スレイトンは相当ご自身のナイスバディーに自信をもっておられる上に「オタク」な方らしく、自分が演じたかった役を他の女優に取られると、「何よあんな貧乳!大体衣装のくい込みが足りないのよ!」とか発言するようなお方らしい。ホントに自ら進んでヌードになりたがる人なのだ。他の特典では、ジュリー嬢の衣装合わせの風景もあり、カメラの前で臆面もなく全裸になって平然と着替える映像があって、筆者は目を白黒させてしまった。・・・などと、まさかこの映画レビューがこんなに長尺になるとは思っていなかった。何だか色々と酷評してしまったように思われるかもしれないが、こういうおバカな映画は大好きなので、決してけなしている訳ではないのはご理解頂きたい。突っ込みながら観るのも、こうした映画の楽しみのひとつなのである。★を4つにしようか3つにしようか、迷ったのだが、監督のシダリスは、明らかに観客よりもバイヤーに視線が行っているので、あえて厳しめに★3つにした。でも、人によってはこういう映画は最高に好き、という方もたくさんいらっしゃると思う。筆者も、早速『グラマーエンジェル危機一髪』を注文してしまった。何だかんだ言いながら(笑)。ネットワーク全体の最低価格に挑戦,日本初の,百貨店ピカソ・トリガー/殺しのコード・ネーム 特別版 [DVD]

MUSICミュージック

CULTUREカルチャー

ピカソ・トリガー/殺しのコード・ネーム 特別版 [DVD]

MOST VIEWED人気の記事

ピカソ・トリガー/殺しのコード・ネーム 特別版 [DVD]

ピカソ・トリガー/殺しのコード・ネーム 特別版 [DVD]

ピカソ・トリガー/殺しのコード・ネーム 特別版 [DVD]:30年以上にわたり、私たちのコレクションは私たちのすべての日用品によって厳選されてきました。 ついに観てしまった、『ピカソ・トリガー』を。このシリーズのウワサは以前から聞いていたし、何年も前に廉価版DVDで発売された時も、どれか一つぐらい買おうかと迷ったが、どれを観たらいいのかも判らず、ずっと心の片隅に放置していた。最近、レビュアーの方から本作が代表作だとお伺いし、やっと観て、色々な事が判った(笑)ので、それについて書きたいと思う。ストーリーは、はっきり言ってどうでもいいので、ダッシュで行きます。世界で最も獰猛な魚「ピカソ・トリガー」の異名をもつ麻薬王にして美術蒐集家のサラザールが何者かに暗殺され、暗黒社会のみならず、長年マークしていた連邦捜査当局も騒然となる。サラザールは、ハワイに拠点を置く犯罪組織のボス・ミゲルにある情報を提供していた。ミゲルは弟を当局に殺害されていて、サラザールから提供されていた情報は、弟の暗殺に関わった捜査官たちのリストだったのだ。ミゲルは報復行動を開始、潜入捜査官たちが次々と暗殺されてゆく。危険を察知した捜査官トラビス(スティーブン・ボンド)とその仲間のグラマーエンジェルズ(プレイメイトたくさん)は、反撃に出るが、この事件にはウラがあった・・・!・・・何て書くと、ちゃんとストーリーがある映画のように思えてしまうが、物語はあって無きが如し(笑)。本作は、ひたすら「美女のヌード」と「筋肉」と「爆発」を羅列していくだけの映画なのである。いわゆる「エクスプロイテーション・ムービー」と呼ばれるジャンルがある。日本語では「キワモノ映画」などと翻訳される事が多いが、ようするに見世物主義を全面に打ち出したB級映画である。で、こうした映画は、かつてアメリカではドライブイン・シアターや、「グラインドハウス」と呼ばれるストリップ劇場などで上映される、超低予算の直視に耐えないようなシロモノが大多数を占めているのだが、この『ピカソ・トリガ−』シリーズが抜きん出ている(?)のは、お金をちゃんとかけて製作されていて、プレイメイトたちが大挙して出演、男たちは挌闘家などの筋肉ムキムキ系、フェラーリなどのスポーツカーが登場し、ロケ地はラスべガスやハワイ(ベタベタですな・笑)など、一見豪華に作られているのである。そう、まるでA級映画のようなフリをして。この「一見」というのが実にクセモノなのだ。観ていて引っかかるのが、ゴージャスに見えるのに、チープな印象を受けることである。とても矛盾しているように思えるが、撮影方法や演出に「こだわり」がなく、メリハリも美学も感じられないのである。もちろんサスペンス感もゼロ。製作・監督・脚本を務めるアンディ・シダリスは、センスゼロのおバカ監督なのか・・・というと、決してそうではなく、明らかに計算ずくで手を抜いて撮っているのが見て取れるのである。この映画のウォッチャーから、よく「やる気がない演出」と称されるのだが、どういう事かと言うと、とにかく何でも派手に爆発させるのだが、対象物がみんな見事に「静止」しているのだ。カーチェイスの最中、ヘリが車にバズーカで狙いをつけると、突然車が止まって運転者がドアをあけてヘリを見る。「いい標的だろ!」と突っ込みたくなった瞬間、撃たれて車ごと木っ端微塵。南部の沼沢地のような水路で、モーターボ−トでチェイスする面白そうなシーン(空撮もしっかりあり)もあるのだが、何と言うか、スピード感が全然なく、「安全運転かよ!」と突っ込みたくなる。武器がとにかく「爆薬」づくしで、爆弾つきブーメラン、爆弾つきの銛、爆弾を搭載したラジコンの飛行機や車・・・何でも「爆弾つき」のワンパターンだ(ラジコンも好きみたいです)。あと、プロの格闘家を出演させて肉弾戦を演じたりするのだが、これまた撮り方がうまくないので迫力が充分に伝わってこなくて、残念な印象を与えてしまう。そう・・・アクションシーンというのは、凝れば凝るほど手間ヒマがかかり、それによって制作費がかさんでくる。シダリスはやることはやっているのだが、徹底的に「こだわらない」ことでコスト削減を狙うのである。その代わりに、やたらと爆発&美女のヌード&筋肉を連発し、手を抜いたところをうまく誤魔化しているのである。以前、キャロライン・マンローの『スタークラッシュ』のレビューで、「多少チープでも、作り手の、ジャンルへの愛や情熱が感じられる映画は観ていて楽しい」といった事を書いたと思うが、『ピカソ・トリガー』シリーズは、この「ジャンルへの愛」が今ひとつ感じられないのである。例えば、大挙出ご出演のプレイメイトたちのお色気シーンも、ドラマ上の必然性はゼロ。とにかく登場したらシャワーシーン、ベッドシーンとすぐ「脱いじゃう」のであるが、こうも簡単にヌードを見せられると、ありがたみが無くなってしまう(笑)。そう・・・ドキドキ感もワクワク感もないのである。お色気というのは、モロ見せすればオッケーというものでもなく、例えば『シンドバッド黄金の航海』のマンロー姐さんはヌードシーンなど全くないが、半獣人に追いつめられて、妙に汗ばんだお肌を見せながら壁際で「ああ、私もうダメ・・・」という表情を浮かべるところがドキドキなのである。「どう?私のナイスバディは!」と言わんばかりに積極的に脱ぎまくる美女たちを連打されると、ドキドキというよりは「はぁ、凄いですね・・・」とむしろ苦笑している自分に気づく。「サービス精神」というが、サービスを押し付けられているような気分だ(笑)。便宜上の主人公(らしい)の捜査官トラビスが、今ひとつ頼りにならない男で、銃もヘタクソ、何発撃っても当たらず、いつも美女にサポートしてもらう始末・・・という設定はけっこう面白いのだが、登場人物が無駄に多くて(男の捜査官がほかにも3人くらい出てくる)、話があっちに飛んでこっちに飛んで、誰がメインキャラクターなんだかよく判らない。美女たちの中に、「チャーリーズ・エンジェル」の世界から飛び出てきたような、ひときわカッコいいオーラを放つ、ファラ・フォーセット風のドナ(ドナ・スピアー)とキュートな風貌のターリン(ホープ・マリー・カールトン)のコンビがいて、この二人はコスチュームもノースリーブのジャケットで統一され(特に初登場時のノースリーブのダイバースーツはカッコ良かった)クールな印象を与えて、グラマーエンジェルのメインキャラか、と思うのだが、上記のように色々なシーンや見せ場がただ羅列されているだけで軸が見えないので、いまひとつ主役か自信が持てない。でも、パッケージを彩っている美女が、まさにドナ・スピアーなのです。本編鑑賞後に予告編を観て、ようやくこの二人がシリーズの「主役」なんだと確信した。まったく予告編の方が出来がいいんだから困ったもんだ!(ちなみにトラビスはこの1作しか登場しないご様子)潜入捜査官という設定で、みな普段は一般社会にとけ込んでいるのだが、水族館みたいなところでイルカの調教師とか、南部の田舎町でカウガール・ショウの踊り子とか、一体何の潜入なんだかもよく判らないし、第一潜入捜査って、犯罪の証拠を挙げるための捜査でしょ?爆弾で証拠も犯人(つまり証人)も全部ぶっとばしてどうするんじゃ!このヒトたちは「潜入捜査官」というより「始末屋」だろ・・・と「突っ込みどころ」が映画になったような映画だ。まあ、大マジメに観るシロモノでは、もちろんないのですが(笑)。サービス精神旺盛なように見えて、何だかおざなりな印象を受けるこういう映画を、監督のシダリスはなぜ撮っているのかというと、「外国のバイヤーに売れるから」とのこと。1)大柄で巨乳の金髪ギャルたちを出すべし2)大柄でバズーカを持ったボディビルダーを出すべし3)ヘリコプターを爆発させよ4)ジープも爆発させよ5)ハワイかラスべガスかダラスでロケをせよというのが、シダリスの「売れる映画5カ条」らしい。つまりお金儲けが第一という事。ロジャー・コーマンやラス・メイヤーとやっている事は似ているのに、シダリスの映画には「作家性」が感じられない・・・(苦笑)さて、筆者も冒頭に書いたが、この『ピカソ・トリガー・シリーズ』、どれが第1作で、どんなシリーズ構成になっているのか情報が錯綜していてよく判らない。観たいとつねづね思っている方でも、筆者と同じくどこから手をつければいいのか判らん、という方もいらっしゃると思うので、ここでしっかり整理したいと思う。とにかくまぎらわしいのは、本DVDのパッケージには、「シリーズ第3弾」と書いてあるのだが、特典映像で監督は「シリーズ2作目」と言っておられる。そしてファンからは「ピカソ・トリガー・シリーズ第1弾」と呼ばれている。この矛盾はなんなのか?実は、そもそも「ピカソ・トリガー」などというシリーズは存在しないのである。『Picasso Trigger』というタイトルがついているのは本作のみで、これは悪役のボスの呼び名なので(劇中でやっつけられちゃう)、シリーズの名称にすること自体がおかしいのだ。おそらく、わが国のビデオバブルの時代に本作がそれなりにヒットしたことで、残りのシダリス映画を全部「ピカソ・トリガー」にしてしまったと思われる。ドナとターリンのコンビの第1作は、『グラマーエンジェル危機一髪(原題:Hard Ticket to Hawaii)』('86)になる。そして本作『ピカソ・トリガー 殺しのコードネーム(Picasso Trigger)』('88)が第2作。続く第3作が『ピカソ・トリガー サベージ・ビーチ(原題:Savage Beach)』('89)、ちなみにビデオソフト時のタイトルは『ピカソ・トリガー2』となっている。ドナ・スピアーはその後、本作では悪女を演じていたロバータ・ヴァスケス(エキゾチック系美女)とコンビを組んで、『スパイエンジェルス(The Guns)』('90)、『グラマラスキラーズ(Fit to Kill)』('92)、『グラマラスハンターズ(Hard Hunted)』('93)と、全く区別のつかない邦題作に続々ご出演(役も同じドナ・ハミルトン捜査官)。シダリスのお気に入りだったようだ。尚、ほかにもゴマンとある『ピカソ・トリガー』シリーズだが、その多くはペントハウスのベスト・ペット・オブ・ザ・イヤー'93に選ばれたジュリー・ストレインが「ウィロー」とか「ウィドー」とかいう役名で主演しているものだ。最後に、本DVDには主演女優のインタビューなど色々特典映像がついているのだが、なぜか本作には出てこないジュリー・スレイトンと監督が対談・・・いや漫才?のようなよく判らないトークを展開するものが、これがくっだらなくて最高におかしかった。何しろ、ジュリー嬢がいきなり胸をモロ出しで登場するのだ!「うぉっ!何だよコレは・・・!?」とビビる筆者を横目に、監督は映画のポスターなどを見せながらご解説。それを聞いているのか聞いていないのか、ジュリー嬢はことある事に胸をはだけたり乳を揺らしたりして、監督は「ああっ!ジュリー、そんなこと・・・良い子のみんなは真似しちゃダメだぞ」とか言って、「コレは何だ?ヤラセなのかセクハラなのか?」と爆笑しながら見てしまったが、このジュリー・スレイトンは相当ご自身のナイスバディーに自信をもっておられる上に「オタク」な方らしく、自分が演じたかった役を他の女優に取られると、「何よあんな貧乳!大体衣装のくい込みが足りないのよ!」とか発言するようなお方らしい。ホントに自ら進んでヌードになりたがる人なのだ。他の特典では、ジュリー嬢の衣装合わせの風景もあり、カメラの前で臆面もなく全裸になって平然と着替える映像があって、筆者は目を白黒させてしまった。・・・などと、まさかこの映画レビューがこんなに長尺になるとは思っていなかった。何だか色々と酷評してしまったように思われるかもしれないが、こういうおバカな映画は大好きなので、決してけなしている訳ではないのはご理解頂きたい。突っ込みながら観るのも、こうした映画の楽しみのひとつなのである。★を4つにしようか3つにしようか、迷ったのだが、監督のシダリスは、明らかに観客よりもバイヤーに視線が行っているので、あえて厳しめに★3つにした。でも、人によってはこういう映画は最高に好き、という方もたくさんいらっしゃると思う。筆者も、早速『グラマーエンジェル危機一髪』を注文してしまった。何だかんだ言いながら(笑)。ネットワーク全体の最低価格に挑戦,日本初の,百貨店ピカソ・トリガー/殺しのコード・ネーム 特別版 [DVD]